∞ 暁務報告 ∞

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暁(あかつき)によるゴッタ煮ブログ【ぎょーむ・ほーこく】。局地的に広く中途半端に深い(笑)趣味で展開してまいります。

親切なクムジャさん

初めて、いわゆる“韓流”ものを観ました−−レンタルですけど(笑)。

この『親切なクムジャさん』、実は上映前から観たかった作品です。
だって……このタイトルの胡散臭さときたら!(爆)
で、大いに興味を持ったものの、結局上映時には行けず。

ところで今回のレンタルの主目的は、もともと『Mr.and Mrs.スミス』です。こちらはものすごーくハリウッドな映画なので、間違いなく水曜レディースデーに大きな映画館で観たい作品だったのですが(レディースデーってトコがなんともはや(笑))、こっちも逃しました。ですから、レンタルしようと思っていたところです……で、同じく新作DVDの棚にあったのが『クムジャさん』。そしてレンタル屋さんの「もう1本新作でも旧作でも借りていただくと三泊四日の返却で」という口車に乗り、やっぱり上映時に観たかった『クレールの刺繍』を。
んがしかし、結局、クムジャさんしか観てないよーっ(^^;)←返却日は明日のヒト
しかも、Amazonでポチっとな、してしまいました……ものすごく気に入っちゃったようです、ハイ(^^;)。

あらすじ等については、公式サイトで力いっぱい出ていますので(サイト、凝ったつくりで面白い(^^))そちらでご覧いただくとして。



私の感想はこちら。

激ツボの理由はいくつかあります。
まず、たんたんと綴られる、乾いた残酷な描写が好き(おい)。
クムジャさんは実に、親切に、そしてあっさりと、人を陥れ(しかも石鹸で)、殺してしまう(3年かけて漂白剤で)。そのあたりはなんとなくわかってはいましたが、圧巻はこの映画の後半。

かつて被害者で、今まさにクムジャさんの共犯者になろうとする人々の、いやもう「スゲェ」−−スゲェと、思わず呟くほどに、グロいシーン……というより、グロい音と想像させるシーンの多いこと。直接手を下しているところが映らないけれど、その、手を下すべく持たれた凶器の数々、人々の緊迫した、あるいはとても冷たい表情、その後の血だまりや、人殺しをした後、普通に、雪の降る様子に帰りの道を心配する人々の感覚の恐ろしさが、ひたひたと静かに迫ってきて、ゾッとします。

彼らが何のための共犯者であったかというと、すべて、子ども、あるいは孫を誘拐した人物に復讐する、というものでした。私はてっきりクムジャさん(彼女は娘を誘拐されただけでなく、犯人に仕立て上げられた)ひとりで手を下すのかと思えば、同じ被害者たる家族たちに声をかけ、復讐させたので驚きました。

クムジャさんの豹変ぷりは、この手のものではありがちですが、彼女の場合、この豹変を武器にしていたわけで……親切なことをして仲間(=共犯者)を増やしていくという、ありえないやり方で復讐をしでかします−−彼女を逮捕した刑事ですらも巻き込んで。本当に可愛い天使のような彼女の表情が一気に変わる様子に、牧師さんというか伝道者?の人同様、呆気にとられます。
そして共犯者たちによる復讐後に見せる、何とも言えない表情たるや。
笑っているのか、泣いているのか−−あえて言うとすればそれはまさに“嗤っている”感じで、本当に恐い。

使っている小物や部屋の装飾等、独特で美しい。クムジャさんのつくるケーキのデコレーションすら艶っぽくて素敵でした。
ただ気になるのは共犯者たちと食べた赤いケーキ。
あの赤いのは……とひっそりとコワイ考えをめぐらし、ちょっちビビってる私ですが、それって考え過ぎでしょうか?(^^;)でも刑事のおくさんの「人殺しのつくったものなんて食べられない!」や、刑務所での“先代”魔女のこと(夫と、その浮気相手を殺して食べてしまったと言われている)を思えば、、、(ゾク)。

そのケーキ。
この作品である意味、もっとも大切なシーンに登場します。
刑務所を出たときの豆腐についてのエピソードが、ラストでの白いケーキにつながるのも、オチがなくてはイケナイ主義の私には快いものでした。

音楽。
BGMのどの曲もツボツボ。私の場合、音楽が気に入れば、ほぼ間違いなく作品自体もお気に入りになるのです(笑。これはゲームやTVドラマでも言えますね)。
うわー、サントラ欲しいーっ!と思ったのに、なんと、日本版のサントラが出ていない。
韓国版でしか買えないようなので、ちょっと残念。私、ブックレットの解説って好きなんですよね(笑)。ハングル文字は読めません。

ハングル文字が読めないと言えば。
この映画の主人公クムジャさんを演じているのは、イ・ヨンエという、有名どころでは『宮廷女官チャングムの誓い』の主人公だそうで……ほぅら(笑)韓流に全く興味ナシなのでこのザマです。観てないよ!冬ソナもチャングムも!(爆)
だから、この作品でいかに有名どころが出演してるのかわかんないです(^^;)でもとにかく面白かった−−というか心に残る作品でした。

***

以下、そうそう共感してはもらえない(^^;)つぶやきから(笑)。
というのも、この作品を観ながら私は、『西洋骨董洋菓子店』(よしながふみ)という漫画と、『ホームドラマ!』というTVドラマを思い出していました。

『西洋…』について思い出したというのは、この作品を読んだ方ならははん、と気づかれるでしょうけれど、あの中にもやはり誘拐事件ということが大きく暗い影を落としています。よしながさんの作品って、それこそきちんと“オチ”がついているのですが、こと、この件については何の解決もなされぬまま(ある種、解決とも言えるけれど)終わります−−終わらざるをえない。誘拐した方にも事情があるだろうけれど、誘拐された側、そしてその家族のダメージたるや、相当なものですが、この『クムジャさん』での共犯者たちにも、決して解決されない重く苦しい思いや事情があります。身代金を用意できず、親戚中から借金をして、それでも足りずに借金を重ねた挙げ句子どもを殺された夫婦や、孫を誘拐され殺された老婆は、嫁は自殺して一家離散と語るのです。


『ホームドラマ!』は、Kinki Kidsの堂本剛クンが主演の、ある意味、異色ともいうべきドラマでしたがとにかく大好きで、一時私ってば狂ったよーにこのドラマをオッカケてましたが(笑)。
こちらは、タイ旅行でのバスの転落事故で家族を失ったという共通項のみで、血のつながりはもちろん、それ以外知り合いになるきっかけなどなかった人たちが疑似家族となる過程を描いたドラマなのですが、誘拐事件の被害者家族という共通項のみで、犯人の男に対し順番に(ちゃんと順番が決められた!)手を下し、皆でその現場を掃除し、記念撮影までして、そろってケーキを食べる様子に、このドラマのことを思い出す私でした−−いや、ずいぶん内容や趣(笑)に隔たりはあるんですけどね(^^;)。
ただ、何か切羽詰まったというか逼迫した事情で共通の事柄がある場合、妙な連帯感が生まれることもあるのかな、と思った次第です。

あらら、『ホームドラマ!』のことを書いていたら、久しぶりに、剛クンの「ORIGINAL COLOR」とか「Alone Again」(ギルバート・オサリバン)が聴きたくなっちゃった(笑)。やっぱり好きなのねー(^^)。
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by gyohm | 2006-04-16 23:21 | 映画