∞ 暁務報告 ∞

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暁(あかつき)によるゴッタ煮ブログ【ぎょーむ・ほーこく】。局地的に広く中途半端に深い(笑)趣味で展開してまいります。

ハンマースホイ展(国立西洋美術館)

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チケット売場前で「こちらはフェルメール展ではございません、お間違えのないように」とのたまい中。
わからなくはないけれど…ちょっと失敬というか、お気の毒な話(^-^;

感想は後ほど。

*** 11/24追加 ***

てなわけで、行ってきました。
展覧会の正式名称は「ヴィルヘルム・ハンマースホイ〜静かなる詩情」、先週『新・日曜美術館』(NHK教育)でも紹介されていましたね。録画をしておいてさらっと眺めておいて、実際に鑑賞した後改めてゆっくり放送を観ようと思って消さずにとっておきました。




ハンマースホイは1864年にデンマークで生まれた画家で、一見リアルに描かれた絵のその中、ぎりぎりまで生活感や物語が感じられるようなものを排除して、静かな、けれどよくよく観れば不思議な感覚を観る者に与えます。

……ああまあ確かに、初めてこの絵を観たとき「フェルメールに似てる」って思いますた(笑)。ちょうど同じ上野の東京美術館でフェルメール展をやってるし、JR上野駅・公園口から出てすぐそこにこの絵があれば思わずすぅっと入ってしまう人がいたとしても……仕方ない……か?(^_^;;;;

ハンマースホイの絵は、後ろ姿(たいていは妻イーダの姿)か、もしくは誰もいない部屋か。たまに顔が見えてるかと思えば、視線は全然こっちを見てないしもちろん絵の中の他の人物同士も全く見てなくて、3人の女性(兄嫁、イーダ、母)が同じ部屋にいるにも関わらず、親密さも険悪さも、どのどれすらも存在していないかのようです。
前述どおり物語性というものをとことんそぎ落として、やがては、ただただ白い扉や床、壁、最低限の家具だけが配置されている。でもその家具の脚が、ふと見ると4本あるはずなのに2本しかなかったり、影があちらこちらの方向を向いていたり、扉に取っ手がなかったり、まっすぐなはずの壁の横線が、キャンバスの端と平行していなかったり……。それが決してうるさく自己主張しているわけでなく、静かな描写を引き込まれるように見つめているうちに「あれぇ?」と気づかされるわけです。

展覧会自体は6つの区分に分かれ、ラストが妻イーダの兄、ビーダ・イルステズ他、同時代のデンマーク画家でハンマースホイの影響を多分に受けた人たちの作品コーナーが配置されている以外はハンマースホイ自身の絵で構成されています。
その中でも私は、「IV 人のいる室内」「V 誰もいない室内」が秀逸で、彼とイーダの住んだストランゲーゼ30番地、そして後に向かい側にあるストランゲーゼ25番地(旧アジア商会。「 II 建築と風景」で風景画としても描かれています(いや〜とても風景画って言い方で片付くような雰囲気の絵じゃないけど……相変わらず静かで、でもえも言えぬ独特な雰囲気があって(笑))。
展覧会では面白い工夫があり、このストランゲーゼ30番地の部屋を、3D動画で蘇らせて、ここでこの絵が描かれたというように表示してみせるコーナーがありました。あまりにも各室内、さまざまな方向で描かれているので二人の生活空間を組み立てることが比較的容易だったようです。
こういうことができるだけのの数の室内が、イーダが、描かれているのに、全然生活感も物語もないんですよね……(^_^;うーん、不思議ふしぎ。

『新・日曜美術館』ではこのような室内絵の描写について「茶室にいるような静かな安らぎを感じる」と評していて、なるほど、言い得て妙かなと思いました。展覧会場内も、三連休中日の日中で大人数いる中、静かでしたね。
……まあその中、さまざまな原色の糸で編まれたニット帽をかぶってるおにーちゃんの頭がとってもジャマでした。帽子をかぶってる人は多くいましたが、落ち着いたトーンでさほど苦になりませんでした。でも、あの帽子だけは作品群の中、とても違和感があって不愉快でした。こういうのって初めて気になったんですが……そういうことが気になってしまうぐらい、あの展覧会での抑えられた色調が心地よいものだったのです。

図録は買いませんでした。
だーって、マジで色が違う……まあこれっていつものことですが。とはいえ、こういう微妙な色彩の絵だからこそ、よけいアラが目立つのかも。
最近、めっきり図録って買わなくなっちゃったなぁ。芸術新潮で特集組んでくれないかな……ちょっと遅いか(^_^;
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by gyohm | 2008-11-24 12:02 | アート