∞ 暁務報告 ∞

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暁(あかつき)によるゴッタ煮ブログ【ぎょーむ・ほーこく】。局地的に広く中途半端に深い(笑)趣味で展開してまいります。

H・アール・カオス×大友直人×都響 その2

H・アール・カオスによる演目コメントの前に、東京文化会館のこと。
この建物のある上野へは、せっせと美術館通いをし、美術館の行き帰りにここへ立ち寄っては、2階の精養軒でチャプスイ食べたり(大好物)、ショップで音楽やバレエネタのグッズ類を眺めるのが好きで、ちょこちょこ来てはいたものの、実際にホールの中に入るのはこの日が初めて。印象としては、ありきたりかもしれませんが“古風”。でも何だか妙に落ち着く、好き系のホールです。結局呑みませんでしたが(すでに“呑み”ときたもんだ(笑))アルコール類も充実していて、ロビーもゆったりしていたし(^^)。

んが。

この日のお客さん方は何だかスゴかった(^^;)。いや、たまたま運が悪かっただけかもしれませんががが。
まずはトイレで。
私の後ろで、一見垢抜けた感じのおねーさん方の団体が騒がしい。どうやら電車で遭遇したオバサンだかにカバンがジャマだと言われたらしく、ひとりが大声で「グイグイ押してくるのよ! イヤなババアで」とガラ悪く言い放ちながら……前に並んでる私を押すなよ(^^;;;;キミの方がよっぽどイヤなバ…(おっと、ワタクシの品格が疑われるから以下略)。
そして観客席で。
フルオーケストラ、素敵なダンスを楽しみに来たのに、最初から最後まで、ずっと鼻につくニンニク臭(x_x;;;;;;;;;;;;;どうやら隣の席の老婦人らしいです。うう、ずっと匂ってました、持ってきた強烈ハーブ香の飴を思わず舐めてました、、、ちょっとでも薄めることができるんじゃないかと思いながら……でもダメでした(^^;)。お願いだから、もちっと食い物考えて来てください、かなりツラい(^^;)。

そんなこんなを除けば、実に素晴らしい公演でした。
(いやはや(^^;))




さて、H・アール・カオスによる生オケでのダンス・パフォーマンスは次の2つ。
・ボレロ(ラヴェル)
・春の祭典(ストラヴィンスキー)

『ボレロ』は、H・アール・カオス版としては世界初お目見え(いわゆる“ワールドプレミア”ですね)とのこと。ご多分にもれず、モーリス・ベジャール振付で、ジョルジュ・ドンによる『ボレロ』に心酔した者にとっては、どんな『ボレロ』なのかと興味津々です。

ジョルジュ・ドンは生で一度だけ拝めましたが、そのとき『ボレロ』はやらなかった。でもそれこそ『春の祭典』はやっていたような気がする……それとも、別の日の演目だったのか思い出せませんが、パンフには出ていたように思います(段ボールからほじくり出すのが面倒(^^;))当時は、ただもうダンサーの人たちの素晴らしい躰と踊りっぷりに口をあんぐり開けているばかりで、実は細かなことは覚えていないんです(^^;)汗のしぶきがほどばしるぐらいの近さでは観ることができたのですが。

で、この日だって最前列なのですが、いかんせん私とダンサー方の踊るステージの間には、先のモーツァルトが終わって20分の休憩の間にそれこそ奈落の底に沈んだ(笑)オーケストラ方がいらっしゃる。
(指揮者の大友さんが観客に向かって挨拶するとき、私からはおデコと目だけが見える(爆))
でも、床に横たわる、H・アール・カオスの看板たる白河直子さんが、まんま目線直!で拝めます……きっとすごく贅沢(と、終わった後、しみじみ思った)。

で、『ボレロ』。
白河さん、たぶん上半身は裸(最前列でも、10mぐらい間があいていて、かつ、眼鏡かけて0.7&0.4の目なのでちょっと判別ができないの(^^;))。でも下はジャージぽい……『キル・ビル』のヒロインが着ているみたいなものの下だけ(^^;)の赤いパンツを履いている。舞台自体も赤で統一されています。件の台ではないけれど、赤い色の環の中に彼女はいて、やがて他のダンサーたちが彼女を取り囲むようにして踊り始めるのですが。

…………。
あ、もう、ごめんなさい。
スゴい、としか言い様がないです。

なにぶん数をこなしていないので、彼女−−白河直子というヒトがこの、舞踊の世界でどの程度の位置にいるのかわかりませんが、何だかもう別世界にいるみたいな気がしました。件の老婦人が前のめりになって観てましたが、その気持ちがよくわかる。
ヒトの躰はかくも動き、表現することができるものなのかと、心底驚かされました。
そしてまぁ、あの『ボレロ』という曲ってヤツぁ、曲単体ですらすさまじく引力のある曲ですが、グイグイと引っ張られ、引きずられていくという感じ。
はい、私も前のめってました(^^;)。

ラストあたりは赤い花びらの乱舞の中終わりましたが、本当は立ち上がって拍手したかったぐらい。でもとにかく一番前なので、立ったら迷惑かと思い、力いっぱい拍手することにしました。
休憩時間中、思わずケータイからイープラスのサイトに、『UZME』のチケット状況を確認しちゃったりなんぞして(笑)S、SS席はまだイケたような気がする(^^;)。

次。テレビで観て「何だかスゴいよ、この人たち」と思った由縁の『春の祭典』。
どこか外国のコンクール?公演?だかを取材した特番だったのですが、あれ、今なら喜んでビデオ録画するのになぁ、、、たまたま合ったチャンネルを、変えることができないぐらい呆気にとられて観ていたせいで、どこの放送局のものだったのか全然覚えてないや(^^;)。

で、『春の祭典』。
思うに、こういうものを観るには、前もっての学習が必要かと思います。幸い私の場合はテレビでちょろっと拝め(バスタブが異様に記憶に残っていました)、ファンサイトさんである程度知識を得て臨んだせいもありましたが、何の知識もなく観たら、良くも悪くも「なに、これ!?」かもしれない……ああ、映画『イノセンス』もそうだっけ(笑)。

配布されたパンフには「事件における被害者と傍観者の物語」とあります。加害者ももちろんですが、傍観者による“暴力”を、被害者の少女(これを白河さんが演じ踊る)との拘わり(天井から宙づりにされた4つの椅子が象徴的、なのでせう。これでいわゆる“暴力”もふるわれます)が描かれます。

椅子を使ってのさまざまな表現や、ラストあたりのバスタブシーン(水入り。白河さんはこの中に入り、水を含んだ髪を何度も振り回して舞台中が水浸しになる)は、やっぱり生で観ると圧巻です。
……が。

うーん。

ものすごく前衛的、先鋭的……なんだろうなぁ。
舞台には天井からつり下げられた椅子4つ、電気スタンド、ソファもどきのオブジェ2つとバスタブのみの実にシンプルな作り。ときどきワイヤーアクションばりの踊りもある。
『ボレロ』にしても途中、赤い囲みが登場したりして、舞台芸術も相当気合いの入ったものではあったけれど、私自身、どうも『ボレロ』の方が良かったらしいです(^^;)……らしい、という言い方もヘンですが(笑)。もちろん、『春の祭典』も、「どエラいモン観ちゃったなぁ」という思いは強いです。ただ、それでも『ボレロ』に魅力を感じたのは、よりシンプルに、白河さんの踊りを満喫できたからからじゃないかと思うワケです。『春の祭典』は道具が多すぎたようです。とにかく白河さんの踊りが観たい、という気持ちが強くて、ラストの水しぶき(これすらも小道具、と言い切ってしまうべきか)に目を奪われてしまうのがちょっと悔しいというか、もったいない気がしたのでした……あらら、いささか本末転倒の感がありますね、この表現に衝撃を受けて観る気になったのに、それを否定するような私のコメントって(^^;)。

それにしても後を引きます。
これからも観ていきたい、実に楽しみなダンスカンパニーではありますが、どうも外国公演の方が多いみたい。うみゅー。チェックを怠らないようにしておこう。
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by gyohm | 2005-06-12 02:19 | 舞踊・ダンス・演劇